だれかが設計?
チョウの羽
チョウの羽は,少しの塵や数滴の水が付着するだけで飛べなくなるほど,薄くて弱いものです。ところが,汚れや水が付いたままにはなりません。一体なぜでしょうか。
考えてみてください: ディディウスモルフォ(Morpho didius)について研究している,オハイオ州立大学の研究者たちは,このチョウの羽は肉眼では滑らかに見えるとはいえ,表面がかわらに似た細かな鱗粉で覆われている,ということに気づきました。それらの鱗粉の表面には平行に並んだ微細な溝があるため,汚れや水滴はすぐ転げ落ちます。技術者たちは目下チョウの羽をまねて,産業機器や医療機器に汚れや水の付着を防ぐハイテク・コーティングを施そうとしています。
人は様々な生き物の造りを科学的に模倣しようとしていますが,チョウの羽もその一つにすぎません。「自然界は,極小の物から極大の物に至るまで,工学技術の驚異で満ちており,これまで幾世紀にもわたって人間を啓発してきた」と,研究者のバラト・ブシャンは述べています。
どう思われますか: チョウの羽は,進化によるものでしょうか。それとも,だれかが設計したのでしょうか。