1，2. これまで発はつ明めいされたものの中なかで，人じん類るいに最もっとも悪わるい影えい響きょうを及およぼしているのは何なんですか。それを発はつ明めいしたのはだれですか。

わたしたちの生せい活かつは，電でん話わ，電でん球きゅう，自じ動どう車しゃ，冷れい蔵ぞう庫こなどの発はつ明めいによって便べん利りになりました。他た方ほう，火か薬やく，地じ雷らい，たばこ，原げん子し爆ばく弾だんなどの発はつ明めいによって，多おおくの人ひとの命いのちが奪うばわれてきました。しかし，ずっと昔むかしに発はつ明めいされ，人じん類るいにもっと悪わるい影えい響きょうを及およぼしているものがあります。それは，うそです。うそとは，だれかをだますために言いう，真しん実じつではない言こと葉ばです。うそを発はつ明めいしたのはだれですか。イエス･キリストは「悪あく魔ま」が「偽いつわりの父ちち」であると述のべました。（ヨハネ 8:44を読よむ。）悪あく魔まが最さい初しょのうそをついたのはいつですか。

² 今いまから何なん千ぜん年ねんも前まえ，エデンの園そのでうそをつきました。最さい初しょの人にん間げん夫ふう婦ふアダムとエバは，エホバが創そう造ぞうしたパラダイスでの生せい活かつを楽たのしんでいました。神かみは2人ふたりに「善ぜん悪あくの知ち識しきの木き」の実みを食たべてはならない，食たべるなら死しぬ，と述のべました。悪あく魔まサタンはそのことを知しっていましたが，蛇へびを通とおしてエバに「あなた方がたは決けっして死しぬようなことはありません」と言いいました。これが最さい初しょのうそです。さらにこう言いいました。「その木きから食たべる日ひには，あなた方がたの目めが必かならず開ひらけ，あなた方がたが必かならず神かみのようになって善ぜん悪あくを知しるようになることを， 神かみは知しっているのです」。（創そう 2:15-17; 3:1-5）

3. サタンのうそが悪あく意いに満みちていたと言いえるのはなぜですか。どんな結けっ果かになりましたか。

³ サタンのうそは悪あく意いに満みちていました。エバがうそを信しんじて木きの実みを食たべれば死しぬ，ということを知しっていたからです。エバとアダムはエホバの命めい令れいに背そむき，やがて死しにました。（創そう 3:6; 5:5）さらに，その罪つみを通とおして「死しが……すべての人ひとに広ひろが[り]，アダムの違い犯はんと同どう様ようの罪つみをおかさなかった者ものに対たいしても王おうとして支し配はいしました」。（ロマ 5:12，14）神かみは人にん間げんが完かん全ぜんな状じょう態たいで永えい遠えんに生いきることを願ねがっておられました。しかし今こん日にち，人にん間げんはせいぜい「七なな十じゅう年ねん」，「特とく別べつの力ちから強づよさ」があっても「八はち十じゅう年ねん」しか生いきられません。そのうえ，「難なん儀ぎと有ゆう害がいなことが付つきまとうだけです」。（詩し 90:10）サタンのうその悲ひ惨さんな結けっ果かです。

4. （イ）これからどんな点てんを考かんがえますか。（ロ）詩し編へん 15編へん1，2節せつによれば，エホバの友ともになれるのはどんな人ひとですか。

⁴ イエスはこう述のべました。「[悪あく魔まは]真しん理りの内うちに堅かたく立たちませんでした。真しん実じつさが彼かれの内うちにないからです」。（ヨハ 8:44）サタンは今いまも真しん理りの内うちにいません。うそをついて「人ひとの住すむ全ぜん地ちを惑まどわしている」からです。（啓けい 12:9）わたしたちは，アダムとエバのように悪あく魔まに惑まどわされてエホバとの友ゆう情じょうを失うしないたいとは思おもいません。では，3つの点てんを考かんがえましょう。サタンは人ひと々びとをどのように惑まどわしていますか。人ひと々びとがうそをつくのはなぜですか。エホバとの友ゆう情じょうを失うしなわないため，どのように「真しん実じつを語かたる」ことができますか。（詩し編へん15:1，2を読よむ。）

5. 今こん日にち，サタンは人ひと々びとをどのように惑まどわしていますか。

⁵ 使し徒とパウロは「サタンに乗じょうぜられることのない」よう勧すすめました。「わたしたちはその謀はかりごとを知しらないわけではないのです」。（コリ二に 2:11）偽いつわりの宗しゅう教きょうや腐ふ敗はいした政せい治じや貪どん欲よくな商しょう業ぎょうを含ふくむ全ぜん世せ界かいがサタンの支し配はい下かにあることを知しっています。（ヨハ一いち 5:19）サタンと邪じゃ悪あくな天てん使しは権けん力りょくを持もつ人ひと々びとに影えい響きょうを及およぼし，「偽いつわりを語かた」らせています。（テモ一いち 4:1，2）大だい企き業ぎょうの中なかには，偽いつわりの宣せん伝でんによって有ゆう害がいな商しょう品ひんを売うったり詐さ欺ぎを行おこなったりする人ひとたちがいます。

6，7. （イ）宗しゅう教きょう指し導どう者しゃのうそが特とくに悪あく質しつなのはなぜですか。（ロ）宗しゅう教きょう指し導どう者しゃはどんなうそを教おしえていますか。

⁶ 宗しゅう教きょう指し導どう者しゃのうそは特とくに悪あく質しつです。その偽いつわりの教おしえを信しんじ，神かみに喜よろこばれない事こと柄がらを行おこなうなら，永えい遠えんの命いのちを得えられなくなるかもしれません。（ホセ 4:9）イエスは当とう時じの宗しゅう教きょう指し導どう者しゃが人ひと々びとを欺あざむいていることを指し摘てきし，面めんと向むかってこう言いいました。「偽ぎ善ぜん者しゃなる書しょ士しとパリサイ人びとたち，あなた方がたは災わざわいです！ あなた方がたは一人ひとりの改かい宗しゅう者しゃを作つくるために海うみと陸りくを行ゆき巡めぐり，それができると，これを，自じ分ぶんに倍ばいしてゲヘナ[または，永えい遠えんの滅ほろび]に行ゆくべき者ものとするからです」。（マタ 23:15）イエスは非ひ常じょうに強つよい言こと葉ばで彼かれらを非ひ難なんしました。彼かれらは「人ひと殺ごろし」である「父ちち，悪あく魔まからの者もの」でした。（ヨハ 8:44）

⁷ 司し祭さい，牧ぼく師し，ラビなど称しょう号ごうは様さま々ざまですが，世せ界かいには宗しゅう教きょう指し導どう者しゃが大おお勢ぜいいます。彼かれらは1世せい紀きと同どう様よう，聖せい書しょの「真しん理りを覆おおい隠かくし……神かみの真しん理りを偽いつわりと換かえ」ています。（ロマ 1: 18，25）人にん間げんの魂たましいの不ふ滅めつや地じ獄ごくや輪りん廻ねなどの偽いつわりを教おしえています。神かみは同どう性せい愛あいや同どう性せい婚こんを許ゆるしているという間ま違ちがった考かんがえも広ひろめています。

8. 政せい治じ家かたちは間まもなくどんなうそをつきますか。わたしたちはどんなことを知しっていますか。

⁸ 政せい治じ家かたちも人ひと々びとにうそを語かたっています。間まもなく，「平へい和わだ，安あん全ぜんだ」という宣せん言げんが行おこなわれます。これは全まったくのうそです。実じっ際さいには，「その時とき，突とつ然ぜんの滅ほろびが……彼かれらに突とつ如じょとして臨のぞみます」。今いまの体たい制せいが安あん定ていしているという言こと葉ばにだまされないようにしましょう。「エホバの日ひがまさに夜よるの盗ぬす人びとのように来くる」からです。（テサ一いち 5:1-4）

9，10. （イ）人ひと々びとがうそをつくのはなぜですか。うそをつくとどうなりますか。（ロ）エホバについて，どんなことを忘わすれるべきではありませんか。

⁹ 発はつ明めい品ひんは好こう評ひょうを得えると，大たい量りょう生せい産さんされます。うそも同おなじです。今いまの社しゃ会かいではうそを言いうことが当あたり前まえになっています。人ひとをだますのは影えい響きょう力りょくのある人ひとだけではありません。Y･バタチャルジーは「なぜ人にん間げんは噓うそをつくか」という記き事じの中なかで，「噓うそをつくこと[は]人にん間げんの本ほん性しょうに深ふかく根ねざした特とく徴ちょうであることが明あきらかにな[った]」と述のべています。 * 人ひと々びとは自じ分ぶんを守まもったり得とくをしたりするために，よくうそをつきます。ミスや悪あく事じを隠かくしたり，金きん銭せんや他たの利り益えきを得えたりするためにうそをつくのです。同おなじ記き事じは，人ひと々びとが大だい小しょう様さま々ざまなうそをつき，「他た人にんだけでなく，友ゆう人じんや家か族ぞくも平へい気きでだます」とも述のべています。

¹⁰ うそが発はっ覚かくすると，信しん頼らい関かん係けいが失うしなわれます。例たとえば，夫ふう婦ふの一いっ方ぽうが不ふ倫りんをし，それを隠かくすためにうそをつくなら，配はい偶ぐう者しゃは裏うら切ぎられたように感かんじます。家いえで妻つまや子こどもを虐ぎゃく待たいする人ひとは，みんなの前まえで家か族ぞくを大たい切せつにしているように振ふる舞まうとしても，家か族ぞく関かん係けいを損そこないます。それに，他たの人ひとをだませたとしても，エホバを欺あざむくことはできません。「すべてのものは[神かみ]の目めに裸はだかで，あらわにされて」いるのです。（ヘブ 4:13）

11. アナニアとサッピラの例れいからどんなことを学まなべますか。（冒ぼう頭とうの挿さし絵えを参さん照しょう。）

¹¹ サタンは1世せい紀きにアナニアとサッピラを「厚こう顔がんにならせ」ました。2人ふたりは神かみにうそをつきました。所しょ有ゆう物ぶつを売うり，その代だい金きんの一いち部ぶを使し徒とたちのもとに持もって来きました。そして，全ぜん額がくを寄き付ふしたかのように振ふる舞まいました。使し徒とたちをだまして，自じ分ぶんたちを良よく見みせようとしたのです。しかし，エホバはすべてをご存ぞんじでした。2人ふたりは命いのちを失うしないました。（使し徒と 5:1-10）

12. 悪あく意いのあるうそをつき，悔くい改あらためない人ひとはどうなりますか。なぜですか。

¹² エホバはうそをつく人ひとをどうご覧らんになりますか。悪あく意いのあるうそをつき，悔くい改あらためない人ひとは，サタンと同どう様よう「火ひ……の湖みずうみ」に投なげ込こまれます。（啓けい 20:10; 21:8。詩し 5:6）エホバはうそをつく人ひとを「犬いぬ」，つまり神かみから見みて極きわめて不ふ快かいな事こと柄がらを行おこなう人ひとと同どう列れつに置おいています。（啓けい 22:15）

13. エホバはどんな方かたですか。エホバに喜よろこんでいただくために，あなたはどうしたいと思おもいますか。

¹³ エホバは「人ひとでないゆえに偽いつわりを語かたることは」ありません。「偽いつわることのできない」方かたです。（民みん 23:19。ヘブ 6:18）「偽いつわりの舌した」 を「憎にくまれ」ます。（箴しん 6:16，17）エホバに喜よろこんでいただくには，真しん実じつさに関かんする神かみの規き準じゅんに従したがう必ひつ要ようがあります。「互たがいに偽いつわりを語かたってはなりません」。（コロ 3:9）

14. （イ）わたしたちは偽いつわりの宗しゅう教きょうの信しん者じゃとどのように異ことなりますか。（ロ）ルカ 6章しょう45節せつからどんな原げん則そくを学まなべますか。

¹⁴ わたしたちは，偽いつわりの宗しゅう教きょうの信しん者じゃとは異ことなり，「真しん実じつを語かた[り]」ます。（ゼカリヤ 8:16，17を読よむ。）パウロが述のべたように，「真しん実じつのことば」によって「自じ分ぶんを神かみの奉ほう仕し者しゃとして推すい薦せん」します。（コリ二に 6:4，7）イエスは，「心こころに満みちあふれているものの中なかから人ひとの口くちは語かたる」と言いいました。（ルカ 6:45）善ぜん良りょうな人ひとは心こころの中なかで真しん実じつを語かたるので，口くちから出でてくる言こと葉ばも真しん実じつです。事ことの大だい小しょうを問とわず，見み知しらぬ人ひとにも友ゆう人じんや家か族ぞくにも真しん実じつを語かたります。では，どうすればすべてのことにおいて正しょう直じきに行こう動どうできるでしょうか。

15. （イ）裏うら表おもてのある生せい活かつをすべきでないのはなぜですか。（ロ）どうすれば，周しゅう囲いからの圧あつ力りょくに抵てい抗こうできますか。（脚きゃく注ちゅうを参さん照しょう。）

¹⁵ 若わかい皆みなさんは，友とも達だちに受うけ入いれられたいという気き持もちが強つよいかもしれません。中なかには，そのような気き持もちに負まけて，裏うら表おもてのある生せい活かつをしている人ひとがいます。家か族ぞくや会かい衆しゅうの兄きょう弟だい姉し妹まいと一いっ緒しょにいる時ときにはきちんとしているように見みえます。でも，学がっ校こうの友とも達だちと一いっ緒しょにいる時ときやソーシャルメディア上じょうではまるで別べつ人じんです。汚きたない言こと葉ばを使つかい，慎つつしみのない服ふく装そうをし，低てい俗ぞくな音おん楽がくを聞きき，アルコールやドラッグを乱らん用ようし，隠かくれてデートしています。もっと悪わるいことをしていることもあります。うそで塗ぬり固かためられた生せい活かつをし，親おやや兄きょう弟だい姉し妹まいや神かみを欺あざむいています。（詩し 26:4，5）しかしエホバは，「唇くちびるで[神かみ]を敬うやまうが，その心こころ[が]遠とおく離はなれている」人ひとのことをご存ぞんじです。（マル 7:6）次つぎのアドバイスに従したがうほうがずっと良よいでしょう。「あなたの心こころが罪つみ人びとをうらやむことがあってはならない。ただ，一いち日にちじゅうエホバへの恐おそれを抱いだいていよ」。（箴しん 23:17） *

16. 特とく別べつな奉ほう仕しを申もうし込こむ際さい，どのように真しん実じつを語かたるべきですか。

¹⁶ あなたは正せい規き開かい拓たく奉ほう仕しを始はじめることを 願ねがっていますか。ベテル奉ほう仕しなどの特とく別べつ全ぜん時じ間かん奉ほう仕しをしたいと思おもっているでしょうか。申もうし込こみ書しょには様さま々ざまな質しつ問もんがあります。例たとえば，健けん康こう状じょう態たいや道どう徳とく的てきな状じょう態たいを尋たずねる質しつ問もんがあります。あなたが選えらぶ音おん楽がくや映えい画がやビデオに関かんする質しつ問もんもあります。すべての質しつ問もんに正しょう直じきに答こたえることが大たい切せつです。（ヘブ 13:18）汚けがれた行おこないや良りょう心しんが痛いたむような行おこないをしたことがあるなら，どうしますか。清きよい良りょう心しんで奉ほう仕しできるよう，長ちょう老ろうたちに援えん助じょを求もとめてください。（ロマ 9:1。ガラ 6:1）

17. 当とう局きょくから兄きょう弟だいたちについて話はなすよう求もとめられたら，どうすべきですか。

¹⁷ 当とう局きょくから王おう国こくの活かつ動どうを制せい限げんされ，逮たい捕ほされたとします。係かかり官かんから兄きょう弟だいたちについて話はなすよう求もとめられたらどうしますか。知しっていることをすべて話はなすべきでしょうか。イエスはローマ総そう督とくから尋じん問もんされた時とき，答こたえたこともあれば，答こたえなかったこともありました。「黙だまっているのに時ときがあり，話はなすのに時ときがある」という聖せい書しょの原げん則そくどおりに行こう動どうしたのです。（伝でん 3:1，7。マタ 27:11-14）わたしたちも思し慮りょ深ぶかさを示しめす必ひつ要ようがあります。兄きょう弟だいたちを守まもるためです。（箴しん 10:19; 11:12）

18. 会かい衆しゅうのだれかが重じゅう大だいな罪つみを犯おかしたことを知しったら，どうすべきですか。

¹⁸ 会かい衆しゅうのだれかが重じゅう大だいな罪つみを犯おかしたことを知しったら，どうすべきでしょうか。長ちょう老ろうたちは会かい衆しゅうの道どう徳とく的てき清きよさを守まもるため，その件けんについてあなたに尋たずねるかもしれません。罪つみを犯おかしたのが家か族ぞくや親したしい友ゆう人じんという場ば合あいもあります。どうしますか。「忠ちゅう実じつさを送おくり出だす者ものは義ぎにかなったこと[または，真しん実じつ]を告つげ」ます。（箴しん 12:17; 21:28）事じ実じつを半はん分ぶんだけ伝つたえたり，ねじ曲まげたりするのではなく，すべての事じ実じつを告つげる責せき任にんがあります。長ちょう老ろうたちには事じ実じつを知しる権けん利りがあります。悪あっ行こうを犯おかした人ひとがエホバとの関かん係けいを取とり戻もどせるよう助たすけるためです。（ヤコ 5:14，15）

19. 次つぎの記き事じではどんな点てんを考かんがえますか。

¹⁹ 詩し編へん作さく者しゃダビデはこう祈いのりました。「あなたは内うちなる所ところにある真しん実じつさを喜よろこびとされました」。（詩し 51:6）ダビデは，人ひとの内ない面めんつまり心こころが大たい切せつであることを知しっていました。本ほん当とうのクリスチャンは，いつでもどこでも「互たがいに対たいして真しん実じつを語かた[り]」ます。神かみの奉ほう仕し者しゃは宣せん教きょうでも真しん実じつつまり真しん理りを語かたります。次つぎの記き事じではその点てんを考かんがえます。