ヨセフにはお兄にいさんがたくさんいました。お兄にいさんたちは，ヨセフがお父とうさんヤコブに一いち番ばん気きに入いられていることに気き付づきます。どう感かんじたでしょうか。ヨセフをうらやんで，きらいになりました。ある時とき，ヨセフは自じ分ぶんの見みた2つの不ふ思し議ぎな夢ゆめについて話はなします。お兄にいさんたちは，その夢ゆめは自じ分ぶんたちがいつかヨセフにひれふすことになる，という意い味みだと思おもいました。それでヨセフのことがもっとにくくなりました。

ある日ひお兄にいさんたちは，シェケムという町まちの近ちかくで羊ひつじの世せ話わをしていました。ヤコブはヨセフにその様よう子すを見みに行いかせます。お兄にいさんたちはヨセフがやって来くるのを見みて，こう言いいます。「あの夢ゆめ見みるやつが来くるぞ。あいつを殺ころしてやろう」。そして，ヨセフをつかまえて深ふかい穴あなに投なげ落おとしました。でもお兄にいさんの1人ひとりユダは，「殺ころすのはやめておこう。どれいとして売うった方ほうがいい」と言いいます。それで，ヨセフをエジプトに向むかうイシュマエル人じんの商しょう人にんたちに銀ぎん20枚まいで売うりました。

お兄にいさんたちは，ヨセフの長ながい服ふくをヤギの血ちにひたし，それをお父とうさんの所ところに送おくって，「これはヨセフの服ふくではありませんか」とたずねます。ヤコブはヨセフが野やじゅうに殺ころされたのだと思おもい，ひどくなげきました。だれの言こと葉ばもなぐさめにはなりませんでした。

エジプトでヨセフは，ポテパルという身み分ぶんの高たかい役やく人にんの所ところにどれいとして売うられます。それでも，エホバはヨセフと共ともにいました。ポテパルは，ヨセフが仕し事ごとがよくでき，信しんらいできる人ひとだと気き付づきました。ポテパルは家いえのことを全ぜん部ぶヨセフに任まかせます。

ポテパルの妻つまは，ヨセフをかっこよくてたくましい人ひとと思おもって見みていました。毎まい日にち ヨセフに，「私わたしとねなさい」と言いいます。ヨセフはどうしますか。はっきり断ことわって，こう言いいます。「だめです！ それは悪わるいことです。ご主しゅ人じんさまは私わたしを信しんらいしてくれています。それにあなたはおくさまです。そんなことをしたら，私わたしは神かみに対たいして罪つみを犯おかすことになります」。

ある日ひ，ポテパルの妻つまは無む理りやりヨセフとねようとして，ヨセフの服ふくをつかみます。しかしヨセフは走はしってにげます。ポテパルの妻つまは，夫おっとが家いえに帰かえってくると，ヨセフが自じ分ぶんとねようとしておそってきたと言いいました。それはうそでした。ポテパルはとてもおこり，ヨセフをろう屋やに放ほうりこみます。でもエホバはヨセフのことを忘わすれませんでした。