2024年，カナダ支部に3つの歴史展示スペースがオープンしました。2つは，聖書のメッセージがカナダでどのように広まったかを取り上げています。もう1つは，世界中の聖書研究者たちが1914年から1919年に経験した試練によってどのように精練されたかに光を当てています。

「真理の光がカナダの地を明るく照らす」という展示スペースでは，カナダのエホバの証人のほぼ150年の歴史について知ることができます。展示されているいろいろな物品から，勇敢な男女が広大な区域で聖書のメッセージを熱心に伝えていたことが分かります。また，カナダのエホバの証人が翻訳を通してどのように先住民などさまざまな文化を持つ人たちに良い知らせを伝えたかも分かります。

幾人かのライフ･ストーリーも紹介されていて，兄弟姉妹が禁令や投獄など厳しい反対に遭ってもどのように忍耐したかが説明されています。さらに，エホバの証人の伝道する権利を守ることや全カナダ人の基本的人権を保障することにつながった画期的な法的勝利についても取り上げています。ある兄弟は，この展示を見学した後，こう言いました。「いろいろな写真を見て，カナダで真の崇拝の道を切り開いた兄弟姉妹の経験を学んで，私も兄弟姉妹の勇気や忍耐に倣いたいと思いました」。

「神の言葉は永遠に存続する カナダで使われてきた聖書」という展示スペースでは，カナダ全土で良い知らせを広めた初期の聖書研究者たちの聖書を見ることができます。幾世代にもわたって受け継がれてきたこうした聖書のおかげで，さまざまな言語で聖書の真理を学ぶことができるようになりました。

カナダの歴史において重要な聖書も幾つか展示されています。その1つは非常に珍しいジョン･ヘンリー･ホワイトによる聖書です。これは，カナダで最初の全巻そろった聖書で，現在残っているのは10冊もありません。イヌクティトット語，マサチューセッツ語，ミクマク語，モホーク語，オジブワ語，西部クリー語といった先住民の言語に翻訳された聖書の原本も展示されています。何年もかけて聖書のメッセージを翻訳したたゆまぬ努力が伝わってきます。

そして，「試練の時にしっかりと立つ勇気」という特別な展示スペースからは，1800年代後半に活動していた初期の聖書研究者たちの忠実な歩みを知ることができます。また，第1次世界大戦が始まった1914年から1919年にかけて聖書研究者たちが経験した多くの試練についても知ることができます。こうした経験が忠実な聖書研究者たちをどのように精練し，その後の活動に備えるものとなったかを説明し，この展示は締めくくられています。

カナダ支部委員会のケビン･クナウス兄弟はこう言っています。「これら3つの展示は，カナダのエホバの証人が受け継いできた貴重な財産に光を当てています。また，どのようにエホバが良い知らせをあらゆる人に伝えてきたかも教えてくれます。そして何よりも，『エホバの言葉は永遠に存続する』と確信させてくれます」。（ペテロ第一 1:25）